
環境に悪いと知っていながらも、その行動をとらなければならないことがありませんか?
そんなとき、わたしたちは罪悪感を感じます
法律違反でも犯罪行為でもなかったとしても「うしろめたさ」を感じてしまいます
例えば、以下のようなシチュエーション
・エコバックを忘れてレジ袋を買うとき
・車(ガソリン車)を使うとき
・プラスティック製品を使うとき
・旅行で飛行機に乗るとき
・買い物でエコ製品ではなく価格の安い方を選んでしまうとき
・ゴミの分別がきちんとできないとき etc
エコを心がけていても、日常ではさまざまな理由で環境に良い方を選べないときがあります
この「環境に良くない行動をするときに感じる罪悪感(うしろめたさ)」はエコギルト(Eco Guilt)と呼ばれています
環境保護への意識が高い人ほど(「エコギルト」環境に悪いことをしている罪悪感)で心を痛めてしまいます
この記事では、日常生活で環境を想う人が環境にいい行動をとれないときの「罪悪感を手放す方法・考え方・アイデア」をお伝えします

目次(タップでジャンプ)
前提の知識

まず 罪悪感をすっきりと手放すために個人の行動による環境への影響を数値でみていきます
日本の CO₂排出量
日本全体の温室効果ガス総排出量は11億4,900万t(2020年度調査)
うち CO₂排出量は10億4,400万t です
<温室効果ガスとは>
【環境問題初心者】地球温暖化を完全解説!原因とメカニズム・影響と対策まるわかり!
日本の CO₂排出量の内訳
- 産業部門 35%
- 家庭部門 20%(家庭自家用車を含む)
- 運輸部門 18%
- 業務部門 17%
家庭から排出される主な CO₂排出量の内訳
- 電力 45%
- 車 25%
- ガス給湯 19%
- その他・暖房/キッチン/ゴミ廃棄物など
参考:温室効果ガス排出量(速報値について)
/環境省:⑥二酸化炭素排出量の内訳(2019年度)
個人の CO₂排出量
国民1人当たりの1日のCO₂排出量は平均 6kg
年間にすると9~10万tにもなります
ですが‥
陥ってはいけない
エコギルト(Eco Guilt)によるエコ麻痺

エコギルトを感じるということは 本来「環境負荷を減らしたい・環境にいいことをしたい・するべきという意識がある」ということです
ですが、無理して環境にいいアクションを取り続けるとエコ疲れを起こしかねません
やがて罪悪感を感じたくないために無意識にエコな選択肢に気が付かない振りの生活を送ることになります
これは「エコ麻痺」の状態です
エコギルトを感じる度に放置し続けると、本来あったはずの環境保護への意識はなくなり エコ麻痺に陥ります
本質と異なる方向へと進んでいくのです

エコ疲れやエコ麻痺に陥らないために、感じたエコギルトは 早めに手放していきましょう!
環境にいい行動がとれないときの罪悪感(エコギルト)を手放す考え方

エコギルトを手放すためには日常生活に「カーボン・オフセット」の考え方をとりいれます
カーボン・オフセットとは
カーボン・オフセットとは日常生活や経済活動において生じる温室効果ガスのうち自らの努力で削減できない分を、その量に見合った削減活動への投資などによって相殺/埋め合わせるという考え方(制度)です
参考:環境省ホームページ/カーボンオフセット
セルフ・カーボン・オフセットをする
「セルフ・カーボン・オフセット」はカーボン・オフセットを日常生活に取り入れ個人で行うことです
自分の行動によって排出するCO₂を別の環境負荷を減らす行動をとることで 自分の排出したCO₂と同等量を相殺して埋め合わせをします
自分の行動で排出するCO₂ - 別の環境にいい行動 = ±0

正確に行うには、自分の排出するCO₂量を別の行動(同量のCO₂を減らす行動)でプラスマイナスゼロにし埋め合わせをします
エコギルトを手放す方法:セルフ・カーボン・オフセットのやり方
セルフ・カーボン・オフセットのやり方として、シンプルな例では「車を使う代わりに今週は早めに消灯する」などがあげられます
《 実践例の詳細は後半で紹介しています 》
まず、自分の排出するCO₂同等量をオフセットするために「行動別 CO₂排出量」と「行動別 CO₂削減量」を確認しておきましょう
行動別 CO₂排出量

CO₂排出量は以下の計算式で出すことができます
CO₂排出量=活動量(電気・ガソリン・ガス・焼却など)×排出係数
温室効果ガス排出量については以下の計算式になります
「 温室効果ガス排出量=活動量×排出係数×地球温暖化係数 」
今回は、温室効果ガスの中で90%を占めるCO₂(二酸化炭素)のオフセットに絞っています
1日あたりの CO₂排出量 <カーボン・フットプリント>
家庭から排出されるCO₂量=1世帯当たり6,500kg(年間)
| 行動(用途) | CO₂ 排出量g <1日のカーボン・フットプリント> |
| 照明 電気 | 1,180 |
| 乗用車 | 1,050 |
| 暖房 | 620 |
| 冷房 | 100 |
| 水道 | 70 |
| レジ袋 | 60 |
- 電力排出係数は電力会社によって差があるため平均値で示しています
- 家庭の水使用量に合わせたCO₂排出量を計算できます➤東京都水道局/くらしと水
- 自宅のCO₂排出量を簡単チェック
➤家庭エコ診断制度運営事務局(一般社団法人 地球温暖化防止全国ネット)
:家庭エコ診断制度ワンポイントアドバイスツール
交通機関別のCO2排出量
(1人が10㎞移動の場合)
| 交通機関(乗り物) | CO₂排出量(g) |
| 一般乗用車 | 1,300 |
| 飛行機 | 980 |
| バス | 570 |
| 電車 | 170 |
国土交通省:「自動車輸送統計」をもとに作成

次に、日常生活における行動によって削減できるCO₂量を確認しましょう
行動別 CO₂削減量

| 行動 | CO₂削減量(約) | 時間/回 | |
| ❶ | 車を使用しない | 1000g~ | 1日 |
| ❷ | (車を使う) 急発進を控えeスタート(ふんわりアクセル) | 550g | 1日 |
| ❸ | (車を使う)アイドリングストップをする | 100g | 1日 |
| ❹ | 夜、家族で1つの部屋で過ごす | 630g | 1日 |
| ❺ | 冷暖房の設定温度を2℃変える (冷→28℃)(暖→20℃) | 90g | 1日 |
| ❻ | 待機電力の削減 | 87g | 1日 |
| ➐ | 冷蔵庫の設定温度を強から中にする | 70g | 1日 |
| ❽ | シャワー時間を1分短縮する | 70g | 1回 |
| ❾ | エコバックを使用する | 60g | 1回 |
| ❿ | 冷蔵庫内の量を半分に減らす | 50g | 1日 |
| ⓫ | 電気ポットのコンセントを抜く | 46g | 1日 |
| ⓬ | 食器を洗うお湯の温度を2℃下げる | 47g | 1日 |
| ⓭ | 照明を電球から蛍光灯やLEDにする | 45g | 1日 |
| ⓮ | テレビの視聴時間を1時間減らす | 35g | 1回 |
| ⓯ | 冷暖房の使用を1時間減らす | 30~40g | 1回 |
| ⓰ | パソコンの使用を1時間減らす(デスクトップ) | 35g | 1回 |
| ⓱ | パソコンの使用を1時間減らす(ノートPC) | 6g | 1回 |
| ⓲ | 蛍光灯の点灯を1時間減らす | 5g | 1回 |
全部覚えられなくてもいいです
各行動によるCO₂排出量とCO₂削減量の数値が、なんとなく掴めたところで表をおおよその目安にしながら生活にセルフ・カーボン・オフセットをとり入れてみましょう

セルフ・カーボン・オフセット具体例

セルフ・カーボン・オフセットの方法はとてもシンプルです
自分の排出するCO₂量を把握して同等量を削減する行動をするだけです
罪悪感に立ち止まる代わりにオフセットに切り替えましょう
その日でオフセット
印をタップ ☟
「今日はレジ袋を買う。
その代わり今夜はシャワーを1分早めに終わらせることにしよう。」
参考:排出 ➤表 ❾ レジ袋(60g)
** オフセット・アクション **
参考:削減 ➤表 ❽ シャワー短縮1分(70g)
< 排出量より10g多く削減できてます >
オフセット(排出量60g・削減量70g)
「eスタート と アイドリングストップ運転で車でいく♪
今日はシャワー時間を短縮して 週末から暖かくなるらしいし暖房の温度を上げよう、お皿を洗うお湯の温度も上げて大丈夫。」
** 参考 **
車1㎞移動で排出されるCO₂排出量=130g(上記表より)
スーパー(往復3kg)
130×3=390g(通常運転の排出量) → エコ運転で 実排出量 (約180g)
** オフセット・アクション **
参考:
表❽ シャワー時間短縮(70g)
表❺ 暖房の温度設定変更(90g)
表⓬ 食器洗いの湯温度変更(47g)
< 排出量より27g多く削減できました >
オフセット(排出量180g 削減量207g)
そのうちにオフセット
印をタップ ☟
週末夜いつも見ているバラエティー番組を観る代わりに長女も誘ってみんなでボードゲームで遊ぼう
** 参考 **
車1㎞移動で排出されるCO₂排出量=130g
130×14=1,820g(通常運転排出量)
1,820 ー [運転eスタート 550g+アイドリング 100g]=1,170g(実排出量)
** オフセット・アクション **
参考:
表⓮ テレビ視聴を2時間減らす(70g)表
表❹ 家族で1つの部屋で過ごす(630g)
表❹ 来週もう1度 家族でボードゲームの続きをして1つの部屋で過ごす(630g)
<排出量より160g多く削減できました>
オフセット(排出量1,170g 総削減量1,330g)
家族がそれぞれの部屋で暖房をつけるのではなく、リビングなど1つの部屋に集まって過ごす省エネスタイル
暖房や照明の使用量が1部屋分で済みます

印をタップ ☟
「来月の献立はいつもより地元の食材を多くとり入れるように工夫しよう♪」
生産地と消費地が離れているほど輸送にかかるエネルギーが必要となり環境負荷も多くなります
「フードマイレージ=重さ(t)×距離(km)」
フードマイレージ値が大きいほど排出されるCO₂量が多くなります
長期スパンでオフセット
印をタップ ☟
旅先で旅の思い出に植木を買って庭に植えよう

参考:
*木 1本が 1年間で吸収する CO₂=約14kg
*吸収率は樹木の種類により差がある/一般的に幹の太い樹木の方が吸収率は高い
印をタップ ☟
「今は車の使用を避けられないけど
将来のエコカー購入のための積立を始めよう」

※これらはセルフ・カーボン・オフセットの実践例です
ご自身の環境に合ったオフセットを行ってください
まず自分が「罪悪感を感じること」からオフセットを始めてみましょう
セルフ・カーボン・オフセットが気持ちの負担にならないために、細かく計算したりピッタリ同量をオフセットしようとするよりも「削減量の多めの行動を選ぶ」「当日オフセットできなくても複数回に分けておこなう」など、気楽にやることで長続きします
排出した量よりも多くのCO₂削減効果を得られることも嬉しいと思います
ご自身の環境に合わせてゲーム感覚で試してみてください
なんとなく何回かやっていくうちに日常行動のフットプリント(数値)は、大まかに覚えていきます
慣れてくると相殺したい量(行動)に対するオフセット行動が感覚的に浮かんでくるので簡単にできるようになります

セルフ・カーボン・オフセットは節約効果もある
セルフ・カーボン・オフセットをとり入れることで家計に節約効果も表れます
参考:
表⓮ 1年で 13kgのCO₂削減 / 約1,000円の節約(年間)
表❷ 1年で 200kgのCO₂削減 / 約13,000円の節約(年間)
表❻ 1年で 31kgのCO₂削減 / 約3,000円の節約(年間)
誤った セルフ・カーボン・オフセット

誤ったセルフ・カーボン・オフセットは、セルフ・カーボン・オフセットが言い訳になっている場合です
カーボン・オフセットの考え方を生活にとり入れる際に留意すべき点は「環境にいい行動」と「そうでない行動」と、どちらかを選択する場面でセルフ・カーボン・オフセットが環境によくない行動をとるための言い訳になってはいけないということです
誤ったセルフ・カーボン・オフセットはエコ意識を鈍らせてしまいます
継続してきたエコ活動や選択できたであろうアクションに対し「あとで埋め合わせをするからいいだろう」と安易に環境負荷のある方を選択してしまい、以前よりもエコな選択をしないことが増えることはセルフ・カーボン・オフセットではありません
セルフ・カーボン・オフセットは、あくまでもCO₂の排出削減努力をおこなった上で、都合により環境負荷のある選択をせざるを得ない場合に生じる罪悪感を解消して活動するための手段です
セルフ・カーボン・オフセットは「これまでのエコアクションにプラスするもの」ということを忘れないでくださいね
罪悪感は手放して エコ活をアップデート

〝 環境にいい行動をとれないときの罪悪感(エコギルト) ″を手放すためのセルフ・カーボン・オフセットの考え方についてお伝えしました
社会全体が環境負荷の少ない製品・エコなシステムへと変化すると共に、わたしたちの身近な環境もよりエコなものへシフトの段階にあります
環境保護意識のある人にとっては、従来の生活様式に囲まれた日常でエコな行動がとれないジレンマを抱えることが多く、エコギルトに悩む人も少なくありません
大切なのは「環境への想いがある」ことです
エコギルトに悩む方は、セルフ・カーボン・オフセットの考え方を例に「エコ意識を持っている自分」を大切にしてほしいと思います
罪悪感からエコ意識を失うことがないように、エコギルトを感じたときには「セルフ・カーボン・オフセット」をとり入れてみてください
環境負荷のある自分の行動によって排出したCO₂と同等量を別の行動でオフセット(相殺/埋め合わせ)する
Point ☝
➤ オフセットにはなるべく削減効果の高い行動から選ぶと簡単
➤ 回数を分けてオフセットしてもいい
➤ 大まかでもいい
➤ 当日じゃなくてもいい
エコギルトを手放して、エコ活をアップデートしていきましょう





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